このシリーズでは、YouTube において
「コメント数に大きな変化が起きたときに、関連する YouTuber にとって大きなイベントがあるはず」
という仮説をもとに、対応する動画をピックアップします。
それによって、チャンネルの歴史を振り返ることを目的としています。
注目チャンネル:ふぅ
あくまでもニコニコ動画メインで活動しているゲーム実況者。
ゲームを楽しむ姿勢や作品への愛は”玄人”を自称するだけのものがある。
「ふぅ」のコメント欄で現れた特徴的な単語の可視化
「玄人」「RTA」「失踪」などふぅを彷彿とさせる単語が見られますね。
かつて炎上した過去もありますが、それもゲームへの愛故でしょうか。
そんなふぅですが、「ダークソウル」をはじめとしたソウルシリーズなど、フロムソフトウェアの作品をプレイすることが多いです。失踪は最早職人芸。
※失踪:シリーズものが完結することなく打ち切られる様子を表す。
目次
分析方法
YouTube の API によって公開データは活用できるので、理系らしくデータから推しの YouTuber をみてみようと思います。
今回はシリーズものが投稿されていた期間をチェックしていきます。
再生数ではなく、コメント数を使う理由
日付ごとに集計することが可能だからです。
再生数は現在まで累積の数しか API を使って得ることができない一方で、動画についているコメントは全て日付とともに公開されています。
そのため、コメントを集計することによって当時のチャンネルのアクティブ度をある程度見積もることができると考えられます。
図の説明
近隣の日付に比べてコメントが多い日と、その日に投稿された動画からその変化の理由を考察します。
変化量を見るために収集した期間中の最大コメント数で正規化をしているため、図中の最大値は1になっています。
ではさっそく、チャンネルの転機を振り返っていきましょう。
起こったイベントの解説(2020年11月22日にデータを収集)
2016年08月〜2017年04月:始動、そして失踪
もともとはニコニコ動画での動画投稿をメインに行っていたふぅ。2016年ごろから YouTube での投稿も並行して行っています。最初の投稿シリーズは代表作ともなった「極限まで妥協しないダークソウル2」シリーズ。
そして2016年夏、待望の続編が YouTube に投稿されます。「限界までやりこむダークソウル3」です。失踪しました。
そういえばこの裏で投稿していた「トトリのアトリエ」トロコン解説、失踪してます。
次に投稿された「Bloodborne」トロコン解説、失踪してます。
結局この期間に完結したのは「限界までやりこむダークソウル3 DLC初見編」のみ。こんな調子なので動画が投稿されるたびにコメント数も増えていました。
この頃はまだ YouTube とニコニコ動画で視聴者が二分されていた時期、コメント数のベースも少ないです。
動画が気になる方は以下の video id を YouTube で検索してみてください。
wzsKNfXg1yg # 極限まで妥協しないダークソウル2【実況】Part1
e4mhhgibNnQ # 【トトリのアトリエ】トロフィー100%&やり込み解説【実況】Part1
J5vuvHc56ec # 限界までやり込むダークソウル3【実況】Part1
UoRj8nSERpQ # 【Bloodborne】トロフィー100%&やり込み解説【実況】Part1
p0sHR1sKmgA # 限界までやり込むダークソウル3 DLC初見編 【実況】Part1
2017年09月〜2018年04月:極限まで自重しない。
前回完結から半年。「極限まで自重しないデモンズソウル」シリーズがスタート。
ソウルシリーズの始まりの作品、やはり投稿日のコメントが伸びました。
そんな中、2018年1月半ばに突然の新シリーズが始まります。失踪を続けた2017年。「極限まで自重しないデモンズソウル」さえ失踪しかけていた2017年。2018年はもう失踪しないという意気込みのもと、「再起」という目標を掲げた新年一発目の企画「ソウルシリーズ+ブラボ全5作品を”SL1″でクリアする」です。
2018年1月3日。お正月休み最後の日に行われた、ただただ精神を削る耐久戦。ジャック・バウアーを彷彿とさせる編集も視聴者の笑いを誘いました。
ぴどぅ、ぴどぅ。ぴどぅ、ぴどぅ。
この2シリーズはちゃんと完結。
動画が気になる方は以下の video id を YouTube で検索してみてください。
nIgkjiWgHZ4 # 極限まで自重しないデモンズソウル【実況】Part1
4FMrgxJnuhU # ソウルシリーズ+ブラボ全5作品を"SL1"でクリアする【実況】Part1
2019年01月〜2019年05月:やがて玄人になる。
「再起」の言葉通り、ニコニコ動画では失踪することなく動画投稿を続けました。YouTube では長いお休みを経て、2019年のお正月企画を迎えます。今回は「いつ何と何と何と何をどのように縛る?【ダークソウルトリロジー実況】」と題しソウルシリーズ5作品を縛りプレイで行いました。
ほんと、好きですよね。まあ見ちゃうんですけどね。
お正月企画の投稿を続ける中、新シリーズが投稿されます。「隻狼-SEKIRO-」の初見プレイシリーズです。「やがて玄人になる」という動画タイトルには本人の意気込みも感じられます。だって玄人ですもの。
本シリーズはやはり話題作、フロムソフトウェアの新作ということもあり、既存のファンのコンスタントなコメントを獲得しました。
この辺りから YouTube メインの投稿に。
動画が気になる方は以下の video id を YouTube で検索してみてください。
FzIdbf5F9uc # いつ何と何と何と何をどのように縛る?【ダークソウルトリロジー実況】Part1
G6d_zI7pDi0 # 【隻狼-SEKIRO-】やがて玄人になる。【弦一郎と殺り合う】#1
2019年06月:積みゲー紹介
「隻狼-SEKIRO-」完結後、期間は空いてしまいましたが、6月には以前から投稿すると宣言していた積みゲー紹介の動画が投稿されました。普段ゲームの画面しか映らないふぅの動画ですが、今回は作業デスクや保管されているゲームソフトも動画内に納められている珍しい動画です。
積みゲーを消化していきますという宣言とともに、細く長く続く「ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド」の初見プレイシリーズが始まります。
そういえば何度か失踪していたような、いや、まだ完結していないだけですね。
動画が気になる方は以下の video id を YouTube で検索してみてください。
MRUuozq-cnQ # 家にある「積みゲー」を紹介してみた。(前編)
ftm-TZw9fOM # 家にある「積みゲー」を紹介してみた。(硬派なゲーム編)MRHxjVoQ2l8 # 家にある「積みゲー」を紹介してみた。(後編) zjYmzx1eii8 # 【ゼルダの伝説BotW】積みゲー、消化、伝説の始まり。【第1話】
2020年09月27日:「隻狼-SEKIRO-」トロコン解説スタート
ゼルダ1度目の失踪を経て、ついに始まった本シリーズ。前日にスタートした「CODEVEIN-コードヴェイン-」の初見プレイシリーズの投稿も合わさって過去最高のコメント数を記録した日になりました。
この辺りから動画の投稿頻度も上がり、コメント数のベースアップにもつながりました。そして、今も続くあのシリーズが始まります。
動画が気になる方は以下の video id を YouTube で検索してみてください。
NI7XMXK7DSE # 【CODEVEIN-コードヴェイン-】生きろ、死してなお【東〇喰種?】-Ⅰ-
EsveQ5LO1b8 # 【SEKIRO-隻狼-】トロフィー100%&やり込み解説【葦名弦一郎/侍大将/竜咳快復】Part1
2020年11月03日:「今更解説する」シリーズスタート
今更、「ダークソウル」を解説してくれる本シリーズ。今更解説するということもあって正攻法な攻略からマニアックな武器の解説まで。毎回毎回使用する武器が変わるだけで、やっていることは同じなのに飽きないこのシリーズは、多くの視聴者を獲得しました。
このシリーズから多くの視聴者が待ち望んでいた「極限まで妥協しないダークソウルリマスタード」や他のソウルシリーズの今更解説シリーズにも派生しており、YouTube 投稿以来最大のシリーズになりました。
この軸となるシリーズがあることで他の作品のシリーズも視聴回数やコメント数の増加に繋がっているように思います。筆者も楽しく視聴した「全てを極める世界のアソビ大全51」シリーズはソウルシリーズ動画に見劣りしないコメント数を記録しており、視聴者もふぅの”ゲーム実況”を楽しんでいることが伺えます。
とは言え、コメント数のグラフで落ち込んでいる期間はソウルシリーズ関連の動画投稿がない期間です。こういうところを見ると、やっぱりこの人はダークソウルの人なんだなとしみじみ。
動画が気になる方は以下の video id を YouTube で検索してみてください。
9Lvr4oXH8MU # ダークソウル最強の素性を教えます。【今更解説するダクソシリーズ】
Qjb_IP1ia4Q # 極限まで妥協しないダークソウルリマスタード【不死院のデーモン蹂躙】#1
oxyBtBaE8nk # 『51種類』全てのゲームを極める!!|全てを極める世界のアソビ大全51
まとめ
ソウルシリーズの印象が強いふぅですが、作品のファンであるライトなファン層を定着させ、別シリーズやライブ放送にも誘導することで自身の実況者としての価値の向上につなげています。
1つの軸を持つことによるブランディング、その軸を中心とした投稿戦略など、10年以上のキャリアから学べるものは多いですね。
それとやはり注目しておきたいのは動画のクオリティ。その編集力は以前から頭ひとつ抜けたものがありました。編集にもそれなりに時間をかけているとのことですが、それもやはり作品への愛なのでしょうか。何より、ゲーム実況動画の投稿が好きなのかもしれないですね。いつも楽しそうですし。
本サイト内で分析に使用したプログラムの組み方も解説していますので、興味のある方はぜひ覗いてみてください。