あなたがYouTubeを見たとき、コメント欄を見ますよね?
それでは、ウイルスの大流行の前後で、コメント欄に “ある変化” が起こっていたことはご存知でしょうか?
今回の記事では、ウイルス流行前後でのコメント欄の変化を噛み砕いて説明します。
これを読めば、ウイルスがインターネットで起こした現象を現実のデータから語れるようになります。
想像や直感ではなく、事実に基づいて理解していただけると思います。
以前に投稿した「なぜ0と1でコンピュータが動くのか?」が非常に人気でしたので、今回もITに関する解説記事を執筆してみます。
この記事のアウトライン:
まず、コメント欄全体の分析を話した後、
ウイルスの流行前後(一回目の緊急事態宣言前後)それぞれを分析することで、何が起きているのかを説明します。
そして、最後にまとめを話します。
では、内容にいきましょう!
※分析に用いたコメントの詳細は記事の最後に記述。
コメント欄の概要
コメント欄全体の結論として、18時〜深夜1時までがボリュームゾーンになっています(図中で色が濃いほど、コメント数が多い)。
この時間帯は、YouTuberたちによる動画投稿が多く、コメントも同じく多くなる傾向があります。
土曜と日曜(右側の2列)は他の曜日に比べて、7時〜17時のコメントが多くなっています。これは多くの人にとって休みの日なので、妥当な結果と言えます。

どのようなコメントが使われているかを調査するために、全体のコメントの可視化を行いました。
「ヒカキン」、「ヒカル」、「シルク」など有名YouTuberの名前が、コメント内でたくさん言及されていることがわかります。

前置きの説明はこの程度にして、今回の本題に入っていきましょう。
ウイルスの大流行前後での変化
結論は、「ウイルス流行による在宅勤務の増加が、昼間のYouTubeを盛り上げた」ということになります。
もちろん、根拠となるデータがありますので、説明していきます。
一回目の全国緊急事態宣言(2020年4月16日)の前後で、データを集計して分析しました。また、比較を平等に近づけるために前後2年間ずつで集計を行いました。
緊急事態宣言の前の2年間

緊急事態宣言の後の2年間

大筋の傾向は最初に行った全体の分析と一致していますので割愛して、増減割合を用いて議論をしようと思います。
次に示すのが、緊急事態宣言前後でのコメント数の増減割合です。
1.0だと変化なしで、
1.0より大きい部分(赤色)はコメント数が増加、
1.0より小さい部分(青色)はコメント数が減少した時間帯になります。

コメント数に変化が見られる以下の二つに分けて説明します。
- 日中(7時〜17時)
- 深夜(2時〜6時)
日中(7時〜17時)
多くの人が働いていたり、学校に行っている時間帯なのでコメント数が少ないですが、明らかに増加しています。
何がこのような大きな変化を生み出したのかを考えると、一つの可能性が浮上しました。
そう「在宅勤務」です。
オフィスでは無理だったYouTubeの視聴も、自宅であれば現実的な選択肢になります。
特に疲れてくる木曜と金曜の昼間のコメント数は明らかに増えています。
一方、週明けで比較的元気のある月曜日は、あまりコメントが増加していないことがわかります。
あなたが在宅勤務をしているときは、疲れてきても「動画をみて、コメント」したりしないように、気をつけてください。
深夜(2時〜6時)
追加で調査してみると、この時間帯にコメントが増加している理由は、海外コメントの増加が原因でした。
時差の関係で、日本の深夜でも海外の人は普通に起きている時間になります。
2020年以降の方が海外に向けた動画を投稿する人や、海外での日本の曲の人気が影響しているようです。確かに、「鬼滅の刃」などの海外人気は凄まじく、主題歌が人気になることは想像できます。
まとめ
今回は、緊急事態宣言前後でのコメント欄の変化を分析しました。
結論は「日中のコメント数の増加」でした。このデータから導かれる考察としては、在宅勤務の影響が大きいのではないかと考えられます。
特に木曜と金曜のコメント数増加率が高いことは、人間の心理を反映していて、面白かったですね。
※分析対象は日本の登録者数200万人超YouTuberのコメント欄としています。合計約1.3億コメント、約1700万アカウントについて処理を行いました。